前回のチョコレート嚢腫については
理解ができましたか?

 

チョコレート嚢腫

 

子宮内膜細胞が
卵巣内に存在して
卵巣が大きくなってしまう病気よね?

 

 

その通りです
今回は子宮内膜症の
癒着にフォーカスを当てて
解説したいと思います

 

癒着がひどくなると
排便痛とか
性交痛とかが出現するのよね?
ところでなんで癒着ってできるのかしら?

 

癒着とは
体内で、傷ついた組織や
炎症を起こした組織を
治した後にできる傷後の様なものです

 

私たちの体は
例え切り傷が出来ても
ほっておくと、細胞が新しくできて
傷が治る仕組みが出来ています

 

そんなに気にした事無いけど
確かに勝手に傷が治るわね
改めて考えると不思議な現象よね

 

 

そうなんです・・
そして、体内に同じような傷や
炎症が起こっても、
それは自然に治癒する事がほとんどです

 

実際手術をして、組織をとっても
数日〜数週間経過すると、傷は治っています

 

そうなの??

 

でも確かに手術しても、
傷が癒えなきゃどうしようもないものね

 

その時に、傷が早く回復する様に
他の組織が、傷の上を覆うようにして
絆創膏の様に張り付く事があります

 

傷が治る際に、一緒にくっついてしまうと
癒着が完成します

 

体が自然に傷を早く治すための仕組みで
結果的に作られるのが
癒着というわけです

 

そのため、手術経験がある方だと、
体内のどこかしらに癒着を持っていることが多いのです

 

なるほどねえ
でも、昔は手術なんて出来なかったから
うまくできた仕組みなのね

 

 

本当にそうですね・・

 

さて、次に何故子宮内膜症で
お腹の中に癒着が起こってしまうか?
解説します

 

前回解説した
卵巣嚢腫とともに
子宮内膜細胞が存在しやすいのは
子宮を取り囲む腹膜なのです

 

 

子宮の周りって
腹膜なの??

 

 

ちょっとイメージにしくいかもしれませんが
膨らませた風船を腹膜とすると

 


※)風船の中に、肝臓や胃袋、腸などが入っています

 

外側から子宮がずぼっと
突き出ているような感じです

 


※)風船の下から子宮が突き出てくる、
つまり子宮は腹膜に包まれている

 

さて、この腹膜に
目に見えない子宮内膜細胞が沢山あるとすると
毎月生理のたびに、その細胞が
炎症を起こすようになります

 

出血→炎症を繰り返した細胞は
腹腔鏡というカメラで見てみると
黒い斑点のようになります

 

その炎症を抑えるために
周りの組織と癒着が作られていきます

 

そして、その状態も長く放置すると
子宮の周りの組織と強い癒着が作られてしまい
便秘や排便痛、性交痛がおこります

 

ってことは
癒着が起こる前の子宮って
よく動くって事??

 

 

その通りです
癒着の無い子宮と卵巣は
まるで、デンデン太鼓の様になっていて
比較的可動性があるのです

 

しかしあまり子宮内膜症を放置すると
骨盤内にかなり強い癒着が形成さて
可動性が全くなくなってしまいます

 

 

その状態を凍結骨盤と呼びますが
頑固な癒着は、たとえ手術をしても
完全に治すことは難しいです

 

こわいわ・・
子宮内膜症は癒着が強くなる前に
しっかり対処しないといけないのね・・

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