前回解説した
子宮内膜症については理解できましたか？

子宮内膜症ってどんな病気？

その通りです
今回は子宮内膜細胞が
卵巣の中に存在する事でおこる
チョコレート嚢腫について解説します

そうですね・・
嚢腫の中身が、古い月経血が
溜まっているために
ドロドロに溶かしたチョコレートの様なのです
そのためチョコレート嚢腫と呼ばれます

板チョコよりチョコレートフォンデュのイメージ

そうですね・・
卵巣が異常に大きくなっている状態を
卵巣嚢腫と呼びます
卵巣嚢腫と一口にいっても
その中身は、血液やお水、他にも脂肪分等様々なのです
嚢腫の性格も様々です

そうですね・・
チョコレート嚢腫は病態が理解しやすいかと思います
子宮内膜細胞が卵巣に閉じ込められるのが病態です

ただし、子宮内膜細胞が何故卵巣に存在するのかは
いまだよく分かっていません

子宮筋腫でも似たような話をしましたね

子宮筋腫ってどんな病気？

チョコレート嚢腫も
原因はよく分かっていないけど
生理のホルモンで、大きくなりますので
チョコレート嚢腫を育てないように
対処する事が可能です

そりゃあ中身が子宮内膜細胞なので
理論上は生理のたびに育っていきます

子宮内膜はエストロゲンとプロゲステロンで毎月作られる・・

若い女性が
生理を止める方法は
しっかりありますよ

妊娠することですよ
実は妊娠は無月経の原因の一つとして
正式に定義されているのですよ
妊娠から出産、そして授乳中
合わせると１年以上生理が無くなるため
その間に嚢腫内容が吸収されて小さくなる事もあります

その通りです
しかし、最近平均妊娠年齢が上がってきているため
なかなか嚢腫が見つからず、
大きく育っている方も多くなりました

妊娠すると自動的に産婦人科を受診されるため
卵巣嚢腫も早期発見でき、嚢腫も育ちにくかったのです

低用量ピルで
生理のホルモンを低く抑えて
嚢腫を育てないという方法もあります

正式には、大きくなるのを防いでいるだけなので
治療という言葉は適切では無いですね・・
ピルを使っていても、定期的に嚢腫の大きさを
チェックする必要があります

さらに
ストレスや食生活、喫煙等も
子宮内膜症の原因となりますので
それらを改善する必要があります

何度も言いますが婦人科の疾患は、
若い女性の生活習慣病と、イメージしても良いくらい密接に関係します

まずは子宮内膜症の
一般的な問題と
同様の事がおこります

子宮内膜症を放置すると
不妊症の大きな原因となるため
妊娠するという事は、
子宮内膜症にとって一石二鳥なのです

さらに、大きなチョコレート嚢腫を
放置していると
卵巣がんになる可能性がありますので
大きな嚢腫は放置しない方が良いです

チョコレート嚢腫からできる卵巣がんは
類内膜腺癌と明細胞癌
という２種類が有名なのですが
明細胞癌は、日本人に多く
進行すると他の卵巣がんよりも
予後が非常に悪いので注意が必要です

そうですね・・
現在何らかの遺伝子異常が原因ではないかと
研究されていますが、
明細胞癌に本当に有効な薬が開発されるのは
まだまだ先になりそうです

ただ、子宮内膜症が明細胞癌の発症確率に
大きく関わっているのは間違い無さそうなので
子宮内膜症と診断されたら、必ず定期的に病院に通う
そして、大きすぎる嚢腫は放置しないことが大切です